第一次世界大戦後のドイツの史実を参考に、資産運用を考える

第一次世界大戦後のドイツで起こった凄まじいインフレ騒動は、歴史的に印象的な出来事です。
貨幣価値は、国家の信用度によっても上下します。
貨幣価値がそのまま国の評価に直結するわけではありませんが、当時戦争に負けたドイツでは、通貨の価値が激しく低下する事態になりました。

 

貨幣の価値が暴落したため、たとえばコーヒーを一杯飲むためには、リヤカー一杯に積んだ量のお金が必要だったのです。
そのように異常な額の貨幣を使ってなんとかコーヒーを買い、一息ついているその僅かな間にもまた貨幣価値が暴落してさらなるインフレが起こり、コーヒー一杯を買うためにリヤカー一杯分のお金であったものが、トラック一杯分のお金を用意しなければいけなくなった。
これはジョークではなく、当時のドイツの現実でした。
これほど極端なインフレが起こる異常事態は現在では稀ですが、まったく例がないわけではありません。
2017年の現代において、ベネズエラのお金ジンバブエドルの価値が暴落し、インフレが深刻化の一途をたどっています。
こうした教訓を前にして考えるべきなのは、お金の価値はつねに一定ではないということです。
資本主義経済はただでさえ、徐々にインフレ化するように作られています。
それは、単に物の値段が上がることばかりを示しているのではありません。
きちんと見直したいのは、銀行やタンスに預けている貯金です。
そこにあるお金は、大幅な利子でもつかない限り、常に一定の額に留まります。
しかしインフレが進行すれば、同じ値段でも買える物や量は少なくなり、結果的に価値が減少します。
貯金は手堅いものですが、もしも貨幣価値が下がった場合は相対的に財産が目減りします。
そこで検討したいのは、財産を守るための投資です。
株券や国債、不動産投資や外国通貨の購入など、投資の内容は多岐にわたります。
流行の兆しを見せている仮想通貨も、投資において重要になってきています。
肝心なのは、リスクを分散させることです。
ドイツの史実の反省を活かしつつ、現金貯金だけでなく、多様な手段でお金を管理し、自分のお金を賢く守りましょう。
ただし、投資の場合は元本が保証されず、たとえば世界に衝撃を与えたリーマンショックをみても、時勢の動きによっては資産を失う可能性がありますので、資産運用には知識と危機管理能力を持つことは忘れてはならないポイントです。