取引を始める前の大切な知識。株式投資信用取引のメリットとデメリット

【安易な空売りは大損失のもと】

一方、信用取引での売りの取引は、「空売り」とも呼ばれます。
株を売るにはその株を実際に保有している必要がありますが、空売りでは、まず証券会社を経由して実際に株を保有している人から株を借り受け、その借り受けた株を売却します。
そして、株価が売却時よりも下がったところで安く買戻し、借り受けた先へ株を返却して取り引きが完了します。
持っていない株を売る?という部分が、初心者の方にとってイメージが難しいかもしれませんが、空売りとは借り受けた株を売り、株価が下がったところで安く買い戻し差益を得る手法です。
このように、空売りは株価が下落傾向にある銘柄に対して効果的です。
また、株式市場が全体的に低調な場合は、買い取引だけではなかなか利益を出すことが難しいのですが、株価の下落傾向を逆手に取る空売りの手法であれば利益を出すことが可能です。
しかし、注意すべきは株価というものは上限がなく青天井であること。
空売りで失敗するケースの多くが、「この銘柄の株価は流れから見て下がりそうだ」と軽い考えで空売りを仕掛けたが、想定とは逆に株価が急上昇し買戻しができなくなった場合です。
株価が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかの判断は難しいものですが、空売りを仕掛けるときは、銘柄のトレンド検証や損切り設定など、十分な調査と準備をしてから行うべきです。

【まとめ】

信用取引では、少ない手持ち資金で、大きな額の取引を行うことができることから、短期間で利益を出せる可能性があります。
しかしその一方で、想定とは逆方向に株価が動いた場合には、保有する建玉の評価損が大きくなり、証拠金不足に陥る可能性があります。
信用取引を利用するときには証拠金は十分余裕を持って差し入れ、また、建玉の含み損が一定以上になったら損切りするなど、決断力と資金管理が重要です。