肉は部位ごとの特性を知っておいしく健康に

肉のアミノ酸スコアは極めて高く、良質なタンパク源として利用できるために、健康的な食べ物としても優れています。
造血に必要なヘム鉄は肉からの摂取が効率的で、健康な血液を作るためにも欠かせませんし、さまざまな可能性を秘めている食材でもあります。

 

肉は部位によって性質が違うもので、何でも食べれば良いとは限りません。
豚の脂身は中華料理ではラードの原料として使われ、豊かなコクの素になっています。
この脂は常温では固まる性質があり、植物性のオリーブオイルなどとは違う組成になっています。
脂質も三大栄養素であり、砂漠の乾燥地帯などでは特に必須の栄養になりますが、脂肪が過剰なバラ肉を食べ過ぎればコレステロールや中性脂肪を増やしてしまう可能性があります。

肉の赤身の部分は、脂肪がなく、純粋な旨味や栄養だけが凝縮していますので、タンパク質を余すことなく摂取でき、健康のために大変良い部位です。
ロースやヒレの部分も同様で、高タンパクで低脂肪が最大の魅力です。

鶏の手羽先や豚足も、おいしい上に健康によい部位です。
これらの部位をよく煮込んでから冷やすと、煮汁はゼラチンのようにプルプルした食感になります。
この中にはタンパク質の一種のコラーゲンが多く含まれており、潤い成分として吸収すると健康的になります。
軟骨成分の一つとしても分類されていますから、年配になってからも食べるとよいでしょう。
最初に湯通しをすれば余計な脂肪が少なくなるため、工夫すれば摂取カロリーを抑えることもできます。

牛や豚の部位の中では、内臓肉も健康に良いことで注目されています。
特に、牛の胃は独特なもので、全部で4つの種類があります。
第一胃のミノはコリコリした食感が特徴で、葉酸や鉄分が多いのが特徴です。
レバーは肝臓の部位で、こちらにも葉酸やヘム鉄が多く含まれているため、妊娠中の方などへおすすめです。

横隔膜も内臓ですが、多くが筋肉で構成されている影響で、赤身やバラ肉に似た食味になります。
焼肉店でハラミと呼ばれる部位で、脂肪分が少ないため旨みがありながらもしつこさがなく、内臓肉と赤身の良い部分を合わせたような部位で、健康的に見ても理想的な部位ではないでしょうか。