飢餓体験が変えた、戦国武将の築城術と食生活の歴史

【飢餓体験が生かされた築城術】

飢餓を武器に戦った秀吉が晩年行った歴史的にも悪名高い朝鮮の陣では、多くの武将が冬の寒さや飢え、病に苦しみ、それによって寿命を縮めた武将も少なくありませんでした。
その中の一人、加藤清正がのちに築いた熊本城が、その際の飢餓体験を元に、城の壁や畳などに、万が一の場合には食材となる乾燥させた里芋の茎などを利用した素材を使って、いわゆる「食べられる城」としたことが、近年よく知られるようになりました。
城の素材に限らず、里芋の茎は人々が日常使う縄の素材としても利用され、少しずつ切って汁の具材に使ったりしました。

【まとめ】

飢えに苦しんだ歴史があったからこそ、乾物や塩漬け以外、缶詰やフリーズドライ、冷凍や冷蔵、レトルトパウチといった画期的な食品保存の技術が次々に考案され、着実に実現し、人々の食生活がいっそう豊かになりました。
それでも、世界各地で慢性的な食糧不足に陥っている地域が少なくない現状を、誰もが今一度認識すべき時代となっています。