少子高齢化と老後の年金支給額。その大きな関わりとは?

【ぬぐえない不公平感】

このような仕組みのマクロ経済スライドが適用されたため、実質当面の年金支給額は上がらないことになります。
その一方で、現役世代から徴収する介護保険料は年々上がっていき、さらに税控除の特例も徐々に縮小されています。
現在の日本の経済は物価安のデフレ傾向にありますが、仮にデフレから抜け出し物価高のインフレ傾向になった場合、それに合わせて賃金も上がるはずです。
しかしそのような社会情勢になった時にも、老後のための年金の給付水準が下がっていく一方の先行きを、若い世代がどう思うか。
年金などあてにできないという不信感が増大し、高額な保険料の納付に意味を見いだせず滞納に結びついてきます。
そして、年金支給のための財源が確保できない悪循環を招きます。

【まとめ】

今後今以上に若い世代の人口割合が低下し、さらに受給者の平均余命が伸びた場合、マクロ経済による抑制値は0・9%では収まらなくなります。
仮にこの調整率が2%になったとすると、年金支給額はますます据え置かれ、年金を糧に生活する老齢世代は変動する社会情勢に対応できなくなります。
まずは、国主導による少子化対策に期待するしかないのが現状です。