日本円のお金(硬貨)の素材についての豆知識

古代からお金の素材といえば金や銀、銅などの価値の高い金属が用いられました。
今は額面金額が大きいお金には紙幣が利用されていますが、少額のお金には硬貨が使われています。

 

硬貨は紙幣と比べて非常に耐久性が高いという特徴があります。
耐久性を高める目的で、硬貨には腐食しにくくて錆びにくい素材が使用されています。
1円玉を除いて、日本のお金(硬貨)の主成分として安価で耐食性が高い銅が多く含まれています。
日本では1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉が存在します。
記念金貨も鋳造されていますが、一般的には流通していません。
一般的に硬貨には耐久性や耐腐食性を高めるために合金が利用されますが、1円玉だけは素材として高純度のアルミニウムが使用されています。
現在は世界で唯一1円玉だけが、純アルミで鋳造されたお金です。
5円玉は真鍮(銅と亜鉛の合金)が使用されていて、磨くと黄金色に輝きます。
5円玉の素材が真鍮製である理由は、太平洋戦争が終結した際にそれまで弾丸の薬きょうや弾丸として使用されていた真鍮スクラップを利用して、昭和24年から5円玉として鋳造されるようになったからです。
昭和20年代に製造された古い5円玉は、戦時中に弾丸や薬きょうとして使用されていたものです。
10円硬貨の素材は銅ですが、純銅ではありません。
10円玉は銅が95%で、数%の亜鉛や錫を含んでいて、正しくは青銅貨です。
10円玉は害虫を駆除する作用があり、水たまりに浸けておくとボウフラが発生しなくなります。
穴の開いた50円玉は銀白色に輝いていますが、使用されている素材は白銅(銅75%ニッケル25%)です。
50円玉自体は昭和30年から発行されていますが、当時は純ニッケルが使用されて穴がありませんでした。
この当時の50円玉は見た目が100円玉とよく似ていたため、見分けやすくするために昭和34年に穴が開けられた上で白銅製に変更されました。
100円玉も50円玉と同様の白銅製で、成分も同じです。
昭和32年に初めて100円玉が鋳造された際は銀を60%も含む銀貨でしたが、2年後の昭和34年に現在の白銅製に切り替えられました。
昭和34年以前の100円銀貨に含まれる銀の価値は現在約200円程度なので、額面金額よりも素材の価値の方が高価です。
500円玉はニッケル黄銅貨(銅72%亜鉛20%ニッケル8%)です。
平成11年までは100円玉と同じ白銅製でしたが、偽造防止のために電気伝導率を変える目的で現在の組成に変更されました。
500円玉は現在一般的に流通している硬貨の中で最も高額です。