高齢者の誤嚥性肺炎。予防や重症化を防ぐための大切な認識

高齢者の疾患の中で、とくに患者数の多いものが肺炎です。
肺炎にはさまざまな種類があり、中でも誤嚥性肺炎にかかる高齢者の数はとても多く、重症化する場合も多いそうです。
高齢者にとっては命取りにもなり得る誤嚥性肺炎。
誤嚥を予防すること、重症化を防ぐこと、そのためには毎日をどのように意識して過ごすべきでしょうか。

 

【高齢者故に起こりやすい誤嚥】

高齢者の多くが、老化によって食べ物の嚥下力が低下し、飲み込むことが難しくなります。
食事の度に誤嚥を起こし、その苦しさから食事をうまく摂ることができず、必要な栄養がとれなくなる人も少なくありません。
栄養が摂れないために体の免疫力が衰え、そして誤嚥を起こす事で肺に炎症が起こり、これが肺炎につながる悪循環になります。
若い世代にはあまり起こり得ない病気ですが、高齢者にとって誤嚥は日常茶飯事であり、何度も肺の炎症を繰り返してしまう人もいます。
この苦しい状態を少しでもやわらげるには、どのようなことに注意するべきでしょうか。

【誤嚥による肺炎を予防するためには】

まずは、誤嚥を予防するという意識を、高齢者本人はもちろん周りの身近な人も持つ事から始めます。
食事は体の免疫力を高めるための栄養を摂る意味で大変大切で、食が細くなりがちな高齢者でもしっかりと食べられるメニューを考える必要があります。
メニューを考える際には誤嚥をしないように、素材を小さく刻んだり柔らかくしたり、とろみ剤を利用して飲み込み易くする工夫が必須です。
また、口腔内が汚れた状態で食事をすると、よくない菌も一緒に飲み込むことになり、誤嚥すると菌が肺に入り込む可能性があります。
食事を始める前にはうがいや歯磨きなどを行い、口の中のばい菌を取り除きましょう。