お金についての豆知識-紙幣(お札)の素材と耐久性

クレジットカードや電子マネー決済が増えたとはいえ、今でも決済手段としてお金(現金)が利用されています。
少額の支払いであれば硬貨を使いますが、千円以上であれば紙幣を利用します。
紙幣は薄くて軽く、額面金額の割に体積が小さいので世界中で利用されています。

 

お金は身近な物のひとつで、日本に居れば、ほとんどの人は毎日千札か一万円札に触れています。
一般的に紙幣の素材は読んで字の如く、植物の繊維から作られた紙が使用されています。
日本のお札も紙ですし、基軸通貨の米ドルも紙が使われています。
紙幣に使われている紙は繊維が長くて丈夫なので、少しぐらい水に濡らしても溶けることはありません。
それでも所詮は紙なので、硬貨よりも耐久性が低いというデメリットがあります。
一般的に硬貨は60年以上使用し続けることができますが、紙幣の平均寿命は数ヶ月から1年程度と短いのです。
古くからお金の素材として紙が使われてきましたが、最近はプラスチック製のお札が発行されている国もあります。
紙幣の素材にプラスチックを利用している国は、オーストラリア、シンガポール、カナダ、ニュージーランド、インドネシア、台湾、ベトナム、メキシコ、香港、ナイジェリア、イスラエル、フィジー、イギリスなどです。
これらの国々に海外旅行して現地通貨に両替すれば、本物のプラスチック製のお金を持つことができるかもしれません。
中にはプラスチック製の硬貨を発行する国もあります。
紙の紙幣に慣れた日本人が見ると、玩具のお金のように見えてしまうかもしれません。
多くの国が紙幣の素材を紙からプラスチックに切り替える理由ですが、耐久性を高めるのと偽造防止という目的があります。
お札と似たような素材の紙を入手すればコピー機や高性能のプリンターを使って簡単に偽札を作ることができますが、プラスチック製であれば市販のプリンターでは印刷をすることができないので、偽造することが困難になります。
ポリマーは紙よりも耐久性が高くて破れにくく、偽造がしにくいというメリットがあります。
その代わりに、プラスチックは熱に弱いのと製造コストが高額になるというデメリットがあります。
金庫にお金を保管している人であれば、火事になるとお金が跡形もなく溶けて消えてしまいます。
世界的に紙幣の素材を紙からプラスチックに切り替える動きがあるので、近い将来に日本でもプラスチック製の千円札や一万円札を持つことができるようになるかもしれません。