料理で余る端材を有効活用、おいしいダシを作る

毎日料理をしていると、端材が発生することが避けられません。
端材はゴミとして捨ててしまうことが珍しくありませんが、これら端材には栄養や風味が残されていることが多く、フランス料理ではスープのダシとして重宝されてきました。
日本でおなじみの、鰹節や昆布などのだしの代用にすることも可能なだけの実力を持っているのです。

 

大根やニンジンなどの皮が端材として大量に残ったときには、大きな鍋で水から煮込んでいきます。
最初の段階では、ブーケガルニも一緒に入れておくと、極めて複雑な香りと旨味が鍋の中で融合します。
野菜が十分に柔らかくなるまで煮込んだ後には、漉し器にかけて水分だけを取り出せば、野菜のブイヨンが完成します。
これを使って料理やスープを作れば、植物由来とは思えないほどに豊かな旨味を実感できます。

甘エビをむいた殻も端材として余ることは多く、一般家庭では捨ててしまうことが多いのですが、これは非常にもったいないことです。
身の部分は刺身や寿司にしていただくこととして、この端材の殻を鍋に入れて水から煮込むとよいダシが取れます。
途中でアクを丁寧に取り除けば、生臭みや雑味がなくなり、上質な味わいのダシとなるのです。
これを味噌汁のダシとして使う場合には、ワタリガニや伊勢海老を加えると相性が抜群です。
洋風のスープで使う場合には、白ワインと合わせてから仕上げると、旨味と芳香が絶妙に調和します。

また、魚のアラはスーパーなどで格安で売られる端材ですが、これもおいしい料理の材料として使えます。
鯛やハマチのアラが手に入ったときには、酒で洗ってから湯通しにして生臭みを取り除きます。
次に生姜と一緒に水から煮てダシを抽出します。
このダシは、インスタントラーメンのスープに加えることで、本格的な魚介系ダシの旨味が加わり、いつものラーメンの味が格段に上がります。

端材という意味では、パン屋さんで格安で販売しているパン耳も料理に使えます。
パン耳を細かいサイコロ状に切ってから油で揚げて、コーンスープなどポタージュに浮かべると、クルトンと同じような食感で香ばしさとコクが魅力的なスープに仕上がります。