魚の内臓をおいしく食べる方法とは

魚の内臓には特有な臭みがあると同時に、日持ちしないという問題があるため、捨てられてしまうことが多い部位です。
ところが、漁村や大河川の近くにある地域では調理や保存の技術も発達し、独自な食文化が形成されることになりました。
この伝統は現在でも受け継がれているため、特に代表的なものを紹介してみたいと思います。

 

鮎の内臓や身の部分を塩漬けにしたものは、うるかと呼ばれて珍重されてきました。
鮎の産地は全国の各地にあるため、うるかの種類も多様なものになっています。
地域によっては卵巣も含めて使うことがあり、塩分濃度は最低でも20パーセントを上回ることから、常温で保存しても腐ることはありません。
熟成が進むと乳酸菌などの微生物が影響して、タンパク質がアミノ酸へと変化して芳醇な旨味が生まれます。
鮎のうるかは酒の肴として特に有名な食べ物ですが、ウニの塩辛と同じように蒸したジャガイモに付けて食べても美味です。

魚の内臓の中で、肝臓の部位は肉のレバーと同じような性質があるのが特徴です。
ウナギの肝臓は肝吸いの材料として使われ、蒲焼きと一緒に食べる伝統が根付いています。
肉のレバーと同じように、多量のビタミンB群やミネラルを豊富に含む食べ物としても人気です。
カツオの肝臓は焼津などの漁師町で食べることが多く、こちらもレバーと同じように親しまれています。
カツオの酒盗の中にも肝臓の部位を加えると、鮎のうるかと同じように芳醇な美味しさの食べ物になります。