目で味わう食べ物、そしてお皿による視覚の効果

「料理は目で味わう」と言われることもあるように、食べ物と視覚の関係は思った以上に深いものです。
日本料理は彩りを大切にする料理でもあるためか、特にそう言われることも多いのですが、私たちはもっと身近に食べ物と視覚の関連を無意識に感じています。

 

例えばスーパーに食材を買いに行ったとき、野菜はどのような基準で選んでいますか?
多くの人は、無意識のうちに色やツヤを見て選んでいるのではないでしょうか。
ホウレンソウやニンジンなどの緑黄色野菜は、より色鮮やかな野菜を手に取ることが多いのことでしょう。
実際に、色鮮やかな緑黄色野菜は、葉緑素やカロテンを多く含んでいることが多く、栄養価も高いことがわかっています。
無意識に選んでいると思われた色彩は、実は重要な意味を持っていたのです。

そして食べ物に大切な視覚は、食材以外にもあります。
それは、お皿という要素です。
例えば、レストランで食事をする際お皿に注目してみると、お皿の色が私たちの食欲に重要な関わりがあることがわかります。
和食を供する際によく使用される黒い食器には、食材の色を引き立たせる効果があります。
また食べ物との合わせ方により、高級感を与える効果もあります。
ほかにも、濃紺や藍色は黒色と同様の視覚効果をもたらし、食べ物を引き立たせる効果のある色といえます。
赤やオレンジといった暖かみのある色彩には食欲を活性化させる作用があり、暖色系のお皿でメニューを提供するお店では食が進みやすいというマーケティング結果もあります。